フリーランス特許翻訳者の日常

今後の進路について

自己紹介ページにあるように、私の主な専門分野は産業用機械なのですが、当該分野における知識量としてはまだまだ十分とは言えないので、日々勉強をしています。

しかしながら、漠然と「機械の勉強をしよう!」と言ってもカバーすべき範囲が広すぎて、勉強すべき項目を1つ1つしらみつぶしにしていくのはどうも効率性に欠ける。最近、そんなもやもやした悩みを抱えながら仕事や勉強に取り組んでいました。

そんな折、以前から時々読ませて頂いている特許翻訳者の方のブログの初期の記事を改めて読み直したのですが、これにより勉強方法に関する新たな気付きを得ることができました。

まず、私が目指しているのはエンジニアや科学者ではなく「仕事がもらえる特許翻訳者」です。

ここで1つ陥りがちな思考として、「どんな分野においても深い知識を有していて、打診のあったお仕事を自信をもってすべて引き受けることができる翻訳者こそが、真の翻訳者なのだ!」というものがあると思います(少なくとも私はそう考えていました)。

しかし、本当にそうでしょうか?

勿論、翻訳者として数十年のキャリアを積み重ねた猛者達の中にはそういった偉大な方々もいるでしょうし、最終的にその領域に辿り着くことができれば、それ以上のことは無いと思います。ただ、自戒のために敢えて言えば、私はまだまだ駆け出し翻訳者なので、いきなりその領域を目指すのはいわばTシャツ短パンスニーカーの軽装備でエベレスト登頂を目指すようなものなのです。

そこで、上記の特許翻訳者の方が取られていた勉強方法を参考にし、下記のような勉強プランを考えました。

  1. タービンについて勉強する
  2. 火力発電について勉強する
  3. 原子力発電、バイオマス発電など、様々な方式の発電について勉強する
  4. ジェットエンジンについて勉強する

1. タービンについて勉強する

なぜタービンかというと、現在専門としているポンプやブロワと親和性の高い機器であり、またさまざまな機器の中でも安定的な需要を有した製品であると判断したからです(製品としての需要がある=開発も活発に行われおり、それだけ特許翻訳の需要も多いだろう、と考えました)。

知っている方にとっては当たり前のことだとは思いますが、一言にタービンと言っても、タービンの周辺には潤滑油を供給するためのギアポンプや、軸封用パージガスを注入するブロワもしくはコンプレッサーなんかも存在します。さらに言えば、計装品類なんかも存在します。

つまり何が言いたいかというと、タービンという限られた製品に関する知識を得るだけのために、周辺機器に関する勉強も並行して行わなければならないということです。

言い換えれば、タービンのことだけを勉強していても、周辺知識もついてくるのです。だからこそ、まずは狭い範囲を深く掘り下げることにより自身の知識の土台を作ることにしました。またこの方法を取れば、近い将来、周辺機器を足掛かりとして隣接分野に触手を伸ばすことが可能だろうと考えました。

また、タービン本体の機構も羽があり、吸込・吐出口があり、流体を移送するという点から、今までの職務経験(ポンプ・ブロワメーカー)から得た知識が生かしやすいであろうと考えたことも、まずタービンについて学ぶことにした理由の一つです。

上記に加えて、ものすごくアホっぽい理由ですが、シャフトと羽がぶん回って流体をブォン!!!って吹っ飛ばすダイナミックさが好きなんですよね。以前よく製鉄所にお邪魔していたんですが、高炉から流れ出てきた銑鉄を見るのも好きですし、もっと身近な例で言えば洗濯機が回っている様子を見るのも結構好きです(この感覚に共感してくれる方も、特に男性だったら多いのではないかと思ったりしています)。

2. 火力発電について勉強する

なぜ火力発電かというと、タービンについての知識が直接的に生かせる、なおかつ自分が携わってきた業界であるプラントにあたる分野だからです。タービンは発電設備の心臓部ですが、その心臓から派生する様々な周辺機器についても体系的に学んでいきたいと考えています。

3. 原子力発電、バイオマス発電など、様々な方式の発電について勉強する

火力発電についての知識を一通り押さえたら、「発電」というキーワードを足掛かりにその他の発電方式についても学んでいこうと思います。そして、例えば、原子力発電であれば、「原子力」というキーワードを足掛かりに原子物理学を、バイオマス発電であれば、「バイオマス」というキーワードを足掛かりに次はバイオマス燃料(延いては生物)を、といった具合に知識の幅を広げていこうと考えています。

4. ジェットエンジンについて勉強する

タービンから火力発電、そしてその他の方式の発電、最終的には各方式から派生した学問についての知識を身に着けた後は、原点であるタービンを起点として、別の方向に知識の幅を広げていきます

火力発電の心臓部がタービンであるように、同じくタービンが重要な役割を果たしているジェットエンジンについて学んでいきます。そして、発電から周辺分野へ派生していったように、次はジェットエンジンから周辺分野(例えば航空機など)の勉強に取り組んでいこうと考えています。


上記のプランを組んだのは、何の足掛かりもなく勉強をしても、そもそも何のために勉強しているのかがわからない、つまりはゴールがわからなくなってしまうという事態を避けるため、そして局所的に深い知識を得るに留まらず、戦略的に自身の守備範囲を広げていくためです。上記プラン1~4のそれぞれの段階におけるゴールは、「勉強している分野で仕事がもらえる特許翻訳者になること」です。

そのゴールを見失わないためにも、ただ単純に参考書や専門書を読み漁るだけでなく、それと並行して特許明細書の翻訳、対訳集作成も進めていきます。


1~4の全ての段階を終えたとき、ジャージと運動靴で高尾山に登れるくらいになっていたら上出来でしょう。

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